若い女性に増加中!がんの予防・治療法

自治体の検診では40歳以上の方を対象に胸部X線検査を実施しています

老人保健法によって、40歳以上の人は肺がんの集団検診として胸部X線撮影を行うことが義務付けられています。背中側からX線を照射する直接撮影で、肺全体を観察できますが、肺の奥にできる「肺野型肺がん」を発見するのに有効です。

黒い肺に白い陰影が認められれば、精密検査を受けることになりますが、異常の疑いがある場合、がん以外にも、肺炎、肺の良性腫瘍、結核、肺真菌症、じん肺などの病気の可能性があります。

X線検査は2cm以下のがんの発見には適しておらず、また骨などの陰にがんが隠れて見逃してしまうこともあります。したがって、X線検査で異常がなくても、必ずしも肺がんでないとは言い切れないのです。

同じく老人保健法によって、50歳以上のヘビースモーカーと痰に血が混じっている人は、痰の細胞調べる喀痰細胞診の公的補助が受けられることが定められています。上記の胸部X線検査で異常が疑われた人もこの検査を受けます。

喀痰細胞診は、口の中をキレイにした後、溶解液の入った専用の容器に痰を出します。痰は比較的太い気管支から分泌されているので、肺の入り口付近に発症する「肺門型肺がん」の発見に適しています。

X線検査では発見が難しい2cm以下のがんは、コンピューターとX線を組み合わせて人体を輪切りにして、断面を画像化するCT検査で見つけることができます。しかし、放射線の被爆量の問題があるため、呼吸器の専門医の間でも肺がんのスクリーニング検査として、CTが適しているかどうかは意見が分かれています。

肺がんは初期の段階では自覚症状が少なく、はっきりとした症状が出る頃にはがんがある程度進行している可能性があります。肺がんで命を落とさないようにするためには、定期的に検診を受診して早期発見に努める「1次予防」が大切です。

肺がんの最大の危険因子は喫煙ですので、一次予防で最も大切なのは禁煙となります。喫煙習慣のある人は、そうでない人に比べて、男性では4.5倍、女性では3倍も肺がんのリスクが高くなるとされています。喫煙は高血圧、動脈硬化、心臓病、歯周病などの発症や促進にも深く関わっているため、禁煙をするだけで健康状態は大きく改善されてます。


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