若い女性に増加中!がんの予防・治療法

がんが粘膜にとどまっているなら内視鏡治療のみで治癒が可能

大腸癌の治療の中で、最も体への負担が少ない治療が内視鏡治療です。早期に発見できれば、腹部にメスを入れない内視鏡で治療が可能です。

内視鏡治療の方法には、肛門から挿入した内視鏡の先端からワイヤーで隆起したがんを電気的に焼ききるポリペクトミー、平坦なものでは、病変の下に生理食塩水を注入して浮かせた上で、同様にワイヤーをかけて焼ききる粘膜切除術(EMR)があります。

切除できる大きさは2cm未満とされています。もちろん、内視鏡のプロはもっと大きながんでも切除できますが標準的な治療を示すガイドラインでは誰でも切除できる大きさとして2cmを指標にしています。

内視鏡治療のみで治癒できるものは、粘膜にとどまっているがんです。大腸の壁は内側から粘膜、粘膜下層、筋層、漿膜下層、漿膜の5層でできています。がんは必ず粘膜から出現します。大きくなるに従って、腸管内腔に突出すると共に、壁の深部へ広がってゆきます。粘膜下層まで浸潤したがんの約1割にリンパ節転移を認めます。リンパ節は腸管の外にあるため、内視鏡では切除できず、リンパ節を含めた追加の腸切除が必要となります。

粘膜下層まで浸潤したがんで腸管の追加切除を受けた患者さんの9割は余分な治療を受けた事になりますので、粘膜下層へ浸潤したがんの場合の治療法については新たな基準を求めて現在も検討が続いています。

内視鏡治療を受けた場合には、がんの壁深達度だけでなく、切除した組織の端にがん細胞がないことを顕微鏡で確認することが重要です。がん細胞が見つかれば、がんが残っているということですから、改めて手術を行う必要があります。

内視鏡治療の合併症で重要なものは、術後の出血、腸管穿孔です。頻度は低いですが避けられない合併症です。術後出血の多くは内視鏡で止血可能です。止血できない場合や穿孔の場合は手術による治療が必要になります。


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